【図解】上座と下座マナーの永久保存版!応接室や和室、円卓テーブルからエレベーター、飛行機までの正しい席順をわかりやすく解説!
外国人の留学生が学生から社会人になって戸惑うことのひとつに、「上座(かみざ)」や「下座(しもざ)」というような「人が座る場所」のマナーがあります。
応接室、会議室、レストランなどはもちろん、車、飛行機、新幹線などの乗り物に乗るとき、写真を撮るときにも上座・下座があります。
もし上座と下座を知らずに、あなたが、上司よりも上座に座ってしまったら「礼儀知らずだな、マナーを知らないな」などと思われ、ビジネスに影響を及ぼしかねません。
この記事では、日本のビジネスシーンで役に立つ基本的な「上座と下座」について解説しています。
上座と下座の基本は相手に対する敬意を伝えること
日本のビジネスシーンで上座・下座を大切にしているのは、目上の人や年長者に対する敬意、来客に対するおもてなしの心を示すためです。
2020年の東京オリンピックに向け、日本人の独特の相手に対する気遣いである「おもてなしの心」を世界に向けてアピールしましたが、日本人はこれらをビジネスの世界でも日常生活でも大切にしています。
上座とは?
まずは「上座」です。その空間の中で一番よい席のことです。より快適で安全、心地よく過ごせる座席になります。役職が上の方、お客さま、目上の方に座っていただく席になります
下座とは?
対して「下座」は、役職が下の方やお客さまを接待する側が座る席となります。
そのため、会議や応接される際などに、すすめられないのに勝手に席に座るのはマナー違反ですから、案内された後に座るようにしましょう。
ソファーがある応接室での上座と下座
ソファーがある応接室
部屋の出入り口から遠い席で、長椅子側が上座です。
2人掛けの長椅子の場合、出入り口から一番遠い席が上座、出入り口に近づくにつれて下座となります。
部屋の出入り口から遠い席が上座、出入り口に近い席が下座です。
6名以上分のソファーがある応接室
本来は、入口から最も遠い席が上座となりますが、長いテーブルに、片側3名以上で席につく場合、真ん中の席が上座となります。
会議室での上座と下座
対面型会議室
対面型会議室の場合は、原則として出入り口から遠い方の列の真ん中の席が上座となります。
お客さまには、出入り口から遠い方の列に座っていただきます。
テーブルの端、かつ出入り口に近くなるほど下座になります。
議長がいる場合は、出入り口から一番遠い席が議長席となります。
コの字型会議室
議長は常に真ん中です。
議長の右側の席が上座となり、続いて議長席の左の席、その後は順に右、左と進み、議長から遠くなるにつれて下座となります。
円卓のテーブルでの上座と下座
円卓の場合も、コの字型会議室と同じように、出入り口から一番遠い席が上座となります。
和室での上座と下座
床の間がある和室
床の間とは日本建築の座敷の上座、ゆかを一段高くした礼拝の場所のことです。よく掛け軸などがかけられていたり、美術品などを飾る重要な場所です。
床の間の隣の棚や小棚などがしつらえられているスペースが床脇棚(とこわきだな)になります。
よって床の間がある和室では、床の間から最も一番近い位置が上座です。続いて、床脇棚の前の席、出入口の近くになるほど下座になります。
基本的には和室の場合は床の間と床脇棚、出入り口の位置で席次が決まります。
しかし、部屋から綺麗な景色が見える位置などがある場合、その席が上座になるなど例外があります。
このような場合、相手に配慮が伝わるように「こちらの席からの眺めが素晴らしいので、よろしければこちらにお座りください」とお声をかけておすすめします。
床の間が無い和室
部屋の出入り口から遠いほど上座。出入口の近くになるほど下座になります。
乗り物での上座と下座
エレベーターの中
エレベーターに誰も乗っていない時
お客さまをご案内する時、エレベーターに誰も乗っていない状況では「お先に失礼いたします」と一声かけてから先に乗り込み、操作盤の前に立ち「開」のボタンを押しながら反対の手で扉を押さえ、必要な操作をします。
操作ボタンが2箇所にある場合は、エレベーターに乗って右側の操作ボタンの場所が下座になります。
エレベーターの操作盤の前が下座となり、操作する人、案内役の人が立つ場所です。その後ろが上座となります。
エレベーターに既に人が乗っている時
エレベーターに既に人が乗っている場合は、お客様、上司・先輩の順に先に乗って頂くようにします。あなたは、入り口のドアを押さえて相手が安全に乗り込めるようにし、一番最後に乗り込むようにします。
操作盤の前に既に人が立っていたり、乗っている人が多いときは、あえて操作盤の前に割り込むことはしないようにしましょう。操作してくださる人に「ありがとうございます」と声をかけ、空いているところに立ちます。
状況に合わせた臨機応変な対応で、その場をスムーズに進めることがマナーとして大切です。
エレベーターを降りる時
エレベーターを降りる時のマナーでは、乗るときは「自分が先」でしたが、降りる時は「来客者が先」です。目的の階に着いたら、来客者が戸惑わないよう「どうぞ、こちらでございます」と声をかけましょう。
車・タクシーの中
タクシーや、運転手付きの乗用車では運転席の後ろが上座になります。後部座席に3名座る時は、真中が最も下座です。
社員のうち誰かが運転する時で、4〜5名で乗車するなら助手席が上座です。3名で乗車する時は、後部に1人でゆったり座れるので、乗車時に「後ろの席でよろしいでしょうか?」尋ねるとよいでしょう。
自分の上司が運転する車に、自分とお客さまが1人または2人が乗車する時は、座りやすい後部座席に座っていただきます。もしお客様の方から「助手席に座ってもいいですか?」と申し出があった場合は従いましょう。
新幹線の中
新幹線グリーン車では、窓側が上座、通路側が下座になります。4名が向かい合って座る時は、進行方向に背を向けている側が下座になります。車両出入り口付近は、人の出入りが多いので、遠い方が上座になります。
3人席では、上司やお客様から特に指定がない場合は、上の人を上座である窓側に案内します。
しかし窓側は通路に出にくい、頻繁に携帯電話で連絡する方など、デッキに出やすい通路側を希望する方もいらっしゃいますので、案内の前に「窓側でよろしいですか?」と声をかけるとあなたの気配りが伝わるでしょう。
飛行機の機内
新幹線と同様に、2人掛けの席の時は、窓側が上座で、通路側が下座になります。
また飛行機では機首に近い方が上座という認識が一般的です。つまりファーストクラス、ビジネスクラスの順番で上座から下座となり、新幹線とは逆に出入口に近い方が上座になります。
3人掛け以上の席の時は、通路に出にくいほど下座になります。しかしながら、新幹線の中と同様に案内の前に「窓側でよろしいですか?」と声をかけてあげましょう。
写真撮影での上座と下座
2人で撮影する時は、あなたの右側が上座で左側が下座になります。
3人で撮影する時は、中央が上座で、次は右側、左側が下座になります。仮にあなた、社長、部長の3人での撮影では、あなたの右側が社長、その隣が部長になるので簡単ですね。
国際会議における記念撮影の時も最重要人物が中央、中央右(カメラマンから向かって左)、その次が中央左(カメラマンから向かって右)と中央から外側に向かって位置が決まっています。
まとめ
いかがでしたか?上座と下座は古来より培われてきた古き日本の文化です。この他にも宴会場やレストランなどの会食の場でも上座と下座があります。
大切なのは、おもてなしの心で相手に気持ちよく過ごして頂くことです。目上の人や年長者に対し敬意を示して、仕事相手と良い関係を築いていきましょう。